『これからの時代を生き抜くための文化人類学入門』 奥野克巳×国分拓 特別対談 「ボルネオとアマゾン、森の民の生き方に学ぶ」第2回
【第2回】人間が「主語」ではない世界 マルチスピーシーズ人類学とは何か 国分:奥野さんの『これからの時代を生き抜くための文化人類学入門』に書かれている「マルチスピーシーズ」という考え方には、非常に共感します。ただ共感しつつも、人間と人間以外の存在全ての持続を目指すことは正しいと感じながら、どこかそれは無理ではないかとも僕は考えてしまう。やはり人間が地球を滅ぼして終わるに違いないという考えが拭えません。「マルチスピーシーズ」自体、もっと多くの人が知ってもいいと思うのですが、伝え方も難しいですよね。概念的な話 ...
『これからの時代を生き抜くための文化人類学入門』 奥野克巳×国分拓 特別対談 「ボルネオとアマゾン、森の民の生き方に学ぶ」第1回
【第1回】フィールドワークが持つ暴力性 人類学者のフィールドワークとドキュメンタリーの取材 奥野克巳(以下、奥野):国分さんとは今から12年前に一度、お会いしていますね。以前に勤めていた大学で、学生たちが「文化人類学研究会」というものを組織して、勉強会を行っていたのですが、国分さんが手がけたNHKスペシャル「ヤノマミ 奥アマゾン 原初の森に生きる」が放送されたのを機に、大学で国分さんをお呼びして、文化人類学者の池田光穂さんと対談をしていただきました。 国分拓(以下、国分):ご無沙汰しています。 奥野:12 ...
スクワットは意味がなかった……!? 1日10分から始められる、お尻に効果的なエクササイズをお教えします『お尻年齢リセット術』
3万人以上を改善してきたお尻の専門トレーナーである松尾タカシ氏が効果的なお尻のエクササイズを教えてくれる本『お尻年齢リセット術』を紹介します。 ヒップアップ目的にと行っていたスクワットは骨盤の傾きによって有効な人とそうでない人に分かれ、またバックキック(四つん這いの姿勢で片方の足を後ろに蹴り上げる運動)は実はお尻に負荷がかかっておらず、意味がないと著者はいいます。 本書では、しっかりお尻に負荷がかかる効果的なエクササイズを紹介しているほか、モチベーションもヒップも上がる、お尻を鍛えるメリットもたっぷり解説 ...
大人気女優も推し!日本一有名なハシビロコウ「ふたば」の魅力に迫る!――写真集『ハシビロコウのふたば』
ふたばは、静岡県の掛川花鳥園で暮らすハシビロコウ。今年、公開7周年を迎える女の子です。 ハシビロコウは子どもたちにも人気の鳥ですが、とくにふたばのファンは多く、女優の清原果耶さんもインタビューなどでふたばファンを公言しています。 なぜ、ふたばはこんなにも愛されるのか? その魅力に迫った写真集『ハシビロコウのふたば』をご紹介します。 ハシビロコウってこんなに表情豊かだったのか ハシビロコウといえば「動かない鳥」として有名で、鋭い眼光に、何を考えているかわからない無表情な面構えが特徴です。 しかし、ふたばは、 ...
“音楽はサブスク”な時代にあえて【アナログレコード沼】にどっぷり浸かってしまう理由とは――ディスクユニオン店長兼バイヤー指南『アナログレコードにまつわるエトセトラ』
これからレコードを聴いてみたい方、レコードが頭から離れなくて夜も眠れない重度のコレクターにもおすすめ、『アナログレコードにまつわるエトセトラ』をご紹介します。 レコードはいうまでもなくアナログで、一部の知識や体験はまるでロスト・テクノロジー。 誰かが語り継がなくては アナログレコードはサブスクとは違い、取り扱い、ケアの方法、美品の見分け方など基礎知識が必要です。 そして、歴史あるアナログレコードの世界は奥が深く、そんな世界を知るのもサブスクにはないアナログレコードの魅力のひとつでもあります。 ...
試し読み|ジェジュン、BTSのRMも愛読した韓国エッセイ『あなたを応援する誰か』
なかなかすてきな人生 10代のころは、20歳になれば 何かが新しくなると思っていた。 でも20歳になってみると、 新しいことなんて何もなく 悩みが増えるだけだった。 どこに向かえばいいかわからないまま、 やみくもに突き進み、 勇ましく挑戦したはずが、 無謀な挑戦に終わったこともあった。 30代になれば何かが変わると思っていた。 でも30歳になってみると 変わることなんて何もなく、 悩みの重さはそのままで、責任が増すだけだった。 人生には、悪いことも 良いことも起きるのが、あたりまえ。 不幸と幸せはいつだっ ...
試し読み|BTSのVも読んだ!話題の韓国エッセイ『家にいるのに家に帰りたい』④
わたしたちはふたたび恋をする あなたにとってわたしは あなたにとってわたしは、 どんな存在だったのか。 わたしにとってあなたは、 奇跡のように訪れた人生の春だった。 星を描く人 あなたはたぶん、夜空に星を描く人。夜明けの青白い空に日が昇ると、彩られていた星々はすぐに見えなくなるけれど、昼の光のなかでときおり見える星もある。あなたは、そんな星を描く人。だからこんなにもまばゆく、きらきらしている。 あなたをずっと太陽みたいだと思っていた。でも、ひんやりした手を握ったとき、わかった。手が冷たいのは、漆黒の空に星 ...
「介護=苦労」だけなのか? 介護をめぐる悲劇を避けるために『認知症介護の話をしよう』が教えてくれることとは
家族の悩みは他人に話しづらい、ましてや介護のことならなおさらです。 だから介護は1人や家族の中だけで抱え込みがちです。 1人や家族の中だけで抱え込んでいると、「介護=不安・つらい・大変」になってしまいます。 そんな精神状態のままで介護者が無理をすると介護は破たんします。 今回は、そのような介護をめぐる悲劇を避けるために、いま介護をしている方はもちろんのこと、まだ介護が始まってない方にもぜひ読んでほしい『認知症介護の話をしよう』をご紹介します。 介護のために自分の人生を犠牲にしてはいけない 本書は、若年性ア ...
「あなたはひとりじゃない」優しく肯定してくれる言葉が心にしみるジェジュン、RMも愛読したエッセイ『あなたを応援する誰か』
忙しさに追われて疲れてしまったとき、夢に向かって奮闘してるとき、前を向きたいとき、人間関係がつらいとき、傷ついたときに、ぜひ読んでほしい本をご紹介します。 2013年に韓国で刊行され現在27刷となるロングセラー、待望の翻訳となる『あなたを応援する誰か』。 2014年にアーティストのジェジュン、そしてBTSのRMが愛読したことで話題になり、 2019年には韓国大手書店 教保文庫にて「今年もっともプレゼント用に購入された本」のベスト3にも選ばれました。 「あなたのままでいいよ。大丈夫だよ。」その ...
アン・ギュチョル×浅田彰×桑畑優香 対談「モダンアートとBTS RMの美術眼」<後編>
www.amazon.co.jp/dp/4777828700 RM が現代美術に興味を持つのは意外なことではない 浅田:アンさんはまずジャーナリストとして美術を扱い、1984 年に東京でヨーゼフ・ボイスやナム・ジュン・パイク(白南準)の仕事に触れて「自分もやっぱりアーティストとしてやってみよう」と思われたんですね。 その前年に僕は構造主義やポスト構造主義を論理的に再構築した『構造と力』という本を出したんですが、なぜかベスト・セラーになり、かえって当惑しました。その年はポストモダン建築の世界的パラダイムの一 ...
アン・ギュチョル×浅田彰×桑畑優香 対談「モダンアートとBTS RMの美術眼」<中編>
www.amazon.co.jp/dp/4777828700 「直角」と「ゆとり」の問題点② 浅田:木で立派な彫刻を作るとか、石で立派な建築をつくるとか、設計図に基づいて正確にものを作ることが重視されてきたけれど、そのときに出てくる木くずとか石くずとか、一見どうでもいいような小さな物にじっと目を凝らすと、それらの予測不能な動きからいろいろ面白いことが見えてくる。『それぞれのうしろ姿』は、そうやって多種多様な小さなもののうしろ姿を見つめることから得られた洞察に満ちていて、良い感じだと思って読んでいたわけです ...
アン・ギュチョル×浅田彰×桑畑優香 対談「モダンアートとBTS RMの美術眼」<前編>
アンさんと浅田さん、お二人の BTS の縁 桑畑優香さん(以下桑畑):アン先生は作家であり現代美術の作り手。浅田先生は評論家でありながら、韓国生まれのアーティスト、ナム・ジュン・パイクと親交があり、実は韓国の現代美術と深い関わりをお持ちです。そしてもう一つの共通点がなんと、BTS なんですよね。アン先生の著書『それぞれのうしろ姿』のページを RM が Weverse(会員制 SNS)に投稿し大反響となり、その噂が日本にも届き日本語翻訳版が出版されるに至りました。アン先生、その時のことを覚えて ...
試し読み|BTSのVも読んだ!話題の韓国エッセイ『家にいるのに家に帰りたい』③
わたしたちが別れた理由がわからないのなら 存在の空席 もともと何もなかった場所に、あなたがいてくれた。 だからあなたが不在となったいま、 そこは空席になってしまった。 存在とはそんなものだ。 あなたは捨てたけど、わたしは捨てられなかったもの 冬のコートのポケットから出てきた あなたと飲んだコーヒーのレシート、 カバンに入っていたあなたと観た映画のチケット、 財布にしまっていた色あせたわたしたちの写真。 あなたは捨てたけど、 わたしは捨てられなかったもの。 ささやかなことが一番大切 ささやかな ...
試し読み|BTSのVも読んだ!話題の韓国エッセイ『家にいるのに家に帰りたい』②
つらい日々をただ受けいれているだけのあなたへ ベッドに寝ころび スマートフォンにさわるとき 「ゆとり」とは、小さなすき間のようなもの。 ベッドに寝ころび空想にふける時間、 愛する人に会う時間、 一日を終えておいしいごはんとともに 一杯のお酒を飲む瞬間。 それらすべてが「ゆとり」だ。 そのすき間は、自分の心のありようによって 大きくなったり小さくなったり。 「そんなゆとりはない」と言いはるわたしは、 「すき間は大きくあるべき」と思い込んでいるのかも。 願い どうかわたしが幸せでありますように。 愛する人たち ...
試し読み|BTSのVも読んだ!話題の韓国エッセイ『家にいるのに家に帰りたい』①
誰よりもわたしの幸せが一番大切 ときには消えてしまいたくなる お風呂にすっぽり首まで浸かり 目と耳をふさいで湯船の栓をぬいたら、 わたしもお湯のように流れて消えてしまえるだろうか。 「どうか消えてしまいますように」 そう願っていた時期があった。 思いきり幸せになれる日がわたしにも来るのかな 幸せすぎると心が病気になる。 干からびた人生に 雨や雪のように幸せがふりそそいでも、 思いきり楽しめず、 「失ったらどうしよう」と考える。 ただ幸せになればいいのに、それでもいいのに。 いつか、足もとに幸せがぎっしり積 ...