【第9回】それぞれの道(悲しいバラード) 余韻と湿気が僕を包んでいる。なんだか陰の棒がヒリヒリしている。彼女も何も言わないけど、陰のヒダを掻いたり擦ったりしているから違和感があるんだろう。 僕は彼女を引き寄せ、頬にキスをした。 このキスは『愛してる』とか、『キミが大切だよ』とか、そんなんじゃなくて、『めっちゃくちゃ気持ちよかったですわ』のキス。 さて、やるコトは済んだから外の光でも浴びにいこうか。血や泥で汚れた手を握り、ゆっくり外に出た。 僕が人間でこの病院に着いてから、気を失ってから、なんとなく3時間ほ ...