第八章 平賀源内と凶宅 呪われた家に住んで殺人を犯した源内さん 前章で、不吉な凶宅にあえて住む人がいた、藤原兼家や平賀源内(1728~1799)のように……と書いた。 そうなのだ。エレキテルで有名な源内さんも凶宅に住んでいた。 しかも、ここで彼は人を殺している。 この事件が謎だらけで、「事件の実相については諸説紛々」(芳賀徹『平賀源内』)。 「ある大名(田沼意次か)の別荘の修理普請について、源内が町人某と争った」ものの、「和議協同することになり、源内宅で仲直りの酒宴」となった。町人某は泥酔して寝てしまい、 ...