家にいるのに"やっぱり"家に帰りたい【第3回】幸せになるための7つの方法|クォン・ラビン 桑畑優香 訳

いまいる場所になじむことができず、不安やとまどいを感じると、心やすまる居心地のいい家に帰りたくなる。
自分を守ってくれる温もりあふれる人と空間を誰もが必要としているのだ。
わたしが綴る言葉たちが、あなたのあたたかい避難場所となり、心と体がゆっくり休まりますように。――クォン・ラビン

【第3回】幸せになるための7つの方法

あなたを定義するのはあなた

他人の言葉であなたを定義することはできない。

周りの目を気にしないのは簡単ではない。でも、他人の言葉に振り回されたり、動揺したりしてはダメ。そうすると、自分ではなく他人が決めつけた人生を生きるようになってしまうから。

背の高い人、低い人、やせている人、そうでない人。わたしたちは多様性に満ちている。痩せていなくても美しく、ゆるぎない自尊心を持つ人もいれば、外見に恵まれていても、他人の言葉ばかり気にして自分を苦しめ、幸せになれない人もいる。

「みんながこうしているから」と周りばかりを気にしているのは、自分を追い詰めてしまうだけ。他人の視線と言葉、行動に動じてはダメ。あなたを定義できるのはあなただけ。あなたがどんな容姿や価値観であれ、あなたを大切にしてくれる人は、かならず存在するのだから。

「自分と違う」という理由で他人をさげすむ人が間違っているだけで、あなたはとても素敵な人。外見だけで判断する人のことは気にしないで。その人は欠点ばかりをあげつらうはずだから。

わすれないで。
あなたはあなたであり、あなたの定義は他人ではなくあなた自身がするのだということを。

うつわとザリガニ

「あの人はうつわが大きい」と言うけれど、そのサイズはさまざまだ。海が入る大きさの人もいれば、宇宙がすっぽり入る人もいる。

時に挫折しながらも、命懸けで脱皮するザリガニのように、自らのうつわを割ってしまうリスクを冒したり、あえて壊したりする人がいる。

その挑む姿勢が、うつわを満たす世界を大きくする。

 

幸せになるための7つの方法

1.寂しさを紛らわせるために恋をしない。

寂しさから始まった関係は、良い結果を生み出さない。残るのは、より大きな寂しさと虚しさ、傷だけ。

 

2.いつも笑顔で。

ありきたりに聞こえるかもしれないけれど、勝者は「最後に笑う人」ではなく、「よく笑った人」。幸せに大きさなどないのだから、ささやかなものに喜びを見つけよう。道端に咲く花、澄んだ空、心地よい雨音。そんな幸せならば、目を開き、耳を澄ますだけで見つけられる。

 

3.心に余裕をもつ

毎日がせわしなく、ちょっとした余裕をもつことさえ難しい日々。でも幸せって、そんな「ちょっとした」余裕に宿るもの。

 

4.ひとりの趣味を楽しむ

ひとりでも楽しめる趣味があり、夢中になって楽しんでいると、まわりに良い人たちが周りに自然にと集まってくる。

 

5.与えることを心がける

言葉にした悪口は、そのまま自分に跳ね返る。相手に差し出した手は、いつか自らに差し出される。
どんな行いも自分に戻る。だから良いことだけを与えよう。

 

6.いつも感謝の気持ちを忘れない

どんなに小さな親切も、それはすごく特別なこと。「ありがとう」という言葉を口にするだけで心が豊かになる。

 

7.いまこの瞬間の愛を伝えよう

すべてがあっという間に過去になる。だから愛する人への気持ちは、はっきり言葉で伝えよう。察してもらえるなんて考えるのは大間違い。後悔しないように、いまこの瞬間、思いを言葉にしよう。

(イラスト チョンオ)

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著者プロフィール

クォン・ラビン
1994年、韓国生まれ。9歳のときに両親が離婚。そのことがきっかけで、世間では「あたりまえ」と思われている多くのことに疑問を持ちはじめる。2020年、自分と同じような思いを抱える読者に寄りそう言葉を届けたいと、デビュー作となる『家にいるのに家に帰りたい』(&books/辰巳出版)を刊行。

永遠なる紫の月——あなたはきっと、わたしとこの言葉たちが好きになる。

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桑畑優香
翻訳家、ライター。早稲田大学第一文学部卒業。延世大学語学堂、ソウル大学政治学科で学ぶ。「ニュースステーション」のディレクターを経てフリーに。多くの媒体に韓国エンターテインメント関連記事を寄稿。主な翻訳書に『BTSを読む』(柏書房)、『BTSとARMY』(イースト・プレス)、『BTSオン・ザ・ロード』(玄光社)、『家にいるのに家に帰りたい』『それぞれのうしろ姿』(&books/辰巳出版)ほか多数。

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