保護犬たちの物語【第12話】ゆめ(もうすぐ2歳) 喜代美さんは子どものころからずっと犬を飼っていた。政次さんも高校に迷い込んできた犬や猫を家に連れ帰っていたほどの動物好き。同じ高校に通っていたふたりは結婚して、息子3人の親となった。政次さんは家業の植木職を独立してやっている。 仲良し一家だが、思春期になると男の子は自分の部屋にこもりがちになり、居間にいてもスマホをいじってばかりで、親との会話がぐんと減る。長男が高校受験を迎えるころは、家の中がピリピリしていた。そこで非営利の保護犬団体から迎えたのが、トイプ ...