メジャー6年目の今シーズンも勢いのとどまるところを知らない大谷翔平。国内外問わず新たな女性ファンが増えるなか、これまでの活躍にも再び注目が集まっています。野球漬けの少年時代、メジャーデビューの2018年シーズン、有言実行でつかんだWBC優勝まで、大谷選手の軌跡をたどる『大谷翔平 二刀流メジャーリーガー誕生の軌跡』をご紹介します。
メジャーリーガー大谷翔平の誕生
2023年シーズンをもって大谷選手はロサンゼルス・エンゼルスと契約満了。エンゼルス残留か他球団へ移籍か今後の動きが噂されますが、どちらにせよ、この6年間が大谷翔平メジャー史における第一章と言えます。なかでも注目したいのは、新人王を獲得したデビューシーズン。そして2021年のア・リーグMVP、2023年のWBC優勝。
2017年12月、エンゼル・スタジアム前でおこなわれた異例の入団会見でメジャーリーグの革命児になり得ると紹介された大谷選手でしたが、開幕前のスプリング・トレーニングでは批判する声も聞かれました。打席ではピッチャーに押され気味で、マウンドではことごとく相手に打たれてしまいます。
懸念されるなか迎えた開幕戦、大谷選手はメジャー初打席初球で初安打を放ちます。3日後の次の試合では先発投手デビューを果たし、打者としてもメジャー初ホームランを放つなど二刀流の実力を発揮。これがメジャーリーガー大谷翔平の誕生、そして“翔タイム”の幕開けでした。
新人王獲得のデビューシーズンは決して順風満帆ではなかった
スター選手として順調に記録を重ねていた6月、靭帯損傷が判明。一時は故障者リスト入りしますが、シーズン後半は二刀流を封じて打者として躍進し、本塁打記録を更新し続けました。その結果、メジャー史上初の投打二刀流の新人王タイトルを獲得します。
本書は、そんな歴史的デビューシーズンを現地一流ジャーナリストが追った取材録。ページをめくるごとに世界が熱狂と歓喜の渦に包まれた光景がよみがえり、随所に大谷選手の類まれなる信念を垣間見ることができます。
ア・リーグMVP(年間最優秀選手賞)を獲得した2021年シーズンや、記憶に新しいWBC2023優勝の記録を新章として追加し、『大谷翔平 二刀流の軌跡』(2019年3月刊行)を再編集。待望の文庫化となりました。巻頭では8ページにわたり、貴重な写真とともにオールカラーで大谷選手の略歴をふり返ります。
野球ファンの方はもちろん、大谷選手に憧れる野球少年や“大谷女子”のみなさん、最近の活躍ぶりが気になる方々にも、ぜひ手にとっていただきたい一冊です。
『大谷翔平 二刀流メジャーリーガー誕生の軌跡』
著者:ジェイ・パリス
訳者:関 麻衣子
発行:辰巳出版 &books
定価:880円(本体800円+税)
体裁:文庫判/264ページ
著者プロフィール
著者 ジェイ・パリス
スポーツ・ジャーナリスト。主な著書に『Game of My Life San Diego Chargers』、『Game of My Life Rams』などがある。全米プロフットボール記者協会の記者賞を3度受賞しており、現在はMLB.com、Forbs.com、AP 通信の記者として活躍している。カリフォルニア州、サンディエゴ在住。
訳者 関 麻衣子
千葉県生まれ。青山学院大学文学部卒。おもな訳書に『その輝きを僕は知らない』ブランドン・テイラー、『ボーイズクラブの掟』エリカ・カッツ(いずれも早川書房)、『リオネル・メッシ(MESSI GRAPHICA)』サンジーヴ・シェティ(東洋館出版社)など。