【第4回】祖母の死とケア労働 前の回でも触れたが、2023年秋、大好きな祖母が死んだ。 「余命わずか」の診断を受けて入院先から自宅に戻し、家で看取った。 キンモクセイが甘い香りをまき散らし、散り始めるまでのわずか10日間だった。 コロナによる面会制限が続く中、病院でひとりぼっちで死なせたくなかった。 とはいえ、仕事を休んでまで看取り介護をしたのには理由がある。 子ども時代、祖母が親代わりだったからだ。 我が家は母子家庭。私が7歳、2人の妹が5歳と3歳のときに両親が離婚した。 専業主婦だった母は実家に身を寄 ...