保護犬たちの物語【第13話】ゆめ(3歳) 3年前の春。栃木県の動物愛護センター収容犬のHPを見ていた孝子さんは、1枚の写真の子犬の目に、心をえぐられた。 それは、栃木県の那須塩原山中で捕獲されてきたばかりの野犬の女の子で、推定3~4か月とあった。捕獲時は母犬やきょうだいと一緒ではなく、単独だったらしい。 その目は必死に訴えているようだった。 「助けて。殺さないで」 人間が怖くて、譲渡会には出られない子だった。当時の収容期限である7日目はすぐだ。 当時は、笑吉(しょうきち)という犬と暮らしていた。 笑吉が1 ...