保護犬たちの物語【第4話】ハッピー(19歳) 薪ストーブのそばでうとうとしている、見るからに気のいい薄茶の雑種犬は「ハッピー」という名をもっている。 この里山で小さなオートキャンプ場を切り盛りしている飼い主の麻里子さんが、彼女をこの里山に迎えた日につけてやった名前だ。 「毎日、この里山じゅうに響き渡るように『ハッピー!』と叫んだら、どんなに気持ちいいかしら」と思ったからだ。 数年前までは「ハッピー!」と呼んだら、どこにいてもすぐ、シッポを振り振り飛んできた。 キャンプ場にやってきた子どもたちが「ハッピー! ...